【第7話】試作第一号から

2018年12月試作品がようやく出来きた。

主材と呼ばれる長い材料は強度を上げるため檜(ヒノキ)を使用。主材同士をラチス材には軽量化を図るため杉(スギ)を使った。

設計段階では分からなかったトラスを同士の連結部構造に脆弱性集中する事が現物荷重試験で明らかになった。

これでは本体のトラス構造部分は我々の持つ設備での検証ができない事が分かった。

これでは製品化に赤信号となってしまう。木材で作っていた連結部を鉄製に変更する事にした。

連結部は既存のアルミトラスに寸法を準拠して製図した。これをF氏の懇意としている鉄工所に製作依頼した。

これで連結部材自体は強くできた。しかし更に新たな問題を生んでいた。連結部材の鉄と主材である木材との接合強度を上げる必要がでてきたのだ。

鉄は木より硬い。従って木が鉄に負けないような接合方法を開発する事が必要になった。ここでF氏の持つ経験が役立った。

建築で言えば5㎝角以下の材料などは細くて構造としては使わない。細い材料を使う家具などの木工品では通常人間の荷重以上の重さの想定は行わない。しかしこの両方の知識が合わさるF氏には独自の解決法があったのだ。

こうして試作第2号が完成した所。当初目標はクリアできる物となった。

【試作品第一号】