【第8話】試作コスト

たった2回の実物検査で当初の目標をクリアしたと思う方もいるかもしれない。

実物検査と言うのはとてもコストがかかる検査方法である。基本的には製品の破壊を行う。

開発中の試作品は自動車であると1台1億円以上する。この98%のコストカットが行われ市場販売価格となると僕の通った大学では教わった。

この1億円には大きく開発人件費が関わっている。我々がやっている零細企業での開発の場合は、社長が滅茶苦茶頑張ると言うコストの掛け方で実施されている事を改めて実感した。

今までの商品開発は自社単独開発であったので余り気にならなかったのだが、こうして僕と同等以上に情熱を傾けてくれるパートナーがいると開発コストの重さと共に感謝の念を感じる。

試験をする前に事前検討を何度も繰り返し、実物試験に残る調査課題は最小限になっていた。そのような努力の結果、実物試験は2回で済んだのである。

【実物試験の様子】